繰り返す死はコンタクト「Disc Room」紹介

見知らぬ惑星で死ねない体となり進化する謎の円盤と対峙する避けゲーかつ死にゲー

遊びやすいアーケードスタイルのアクションゲームだけど、同時に未知の存在と人間の邂逅を描く素晴らしいハードSFでした!

非常に気に入ったのでSteamレビューに加筆してブログにも置いておく。

 

作り込まれたストイックかつ快適なアクションゲームと硬派なSFエッセンスがコンパクトにぎゅっと詰め込んである小粒良品。特に、小説・映画「2001年宇宙の旅」やスタニスワフ・レムソラリス」やストルガツキー兄弟「ストーカー」等のすこし古めのSFが好きな方には強くおすすめ

ひととおりクリアまで2~3時間、ハードモードや謎解きまでやりこむと4~5時間程度。開発にはMinitとSLUDGE LIFEのチームが参加していて、ミニマムで奥深い語り口はもちろん、アートワーク・音楽もすごくクール。

Steam/Switch/Xbox

www.youtube.com

 

(ゲーム内容)

シンプルに刃のついた円盤を避けるだけのステージ制ゲームで、攻略条件を達成することでステージを開け、先に進んでいく。途中でアビリティが解放されたり、入り組んだ解放条件や、謎めいた部屋が出てきたりで、クリアまで飽きずにプレイできる。特殊な条件下や謎解きでしか出現しない部屋・円盤もあり(クリアするだけなら不要)。死にゲーなので何度も死ぬことが前提だが、リプレイはスムーズかつ操作性も快適で、ストレスはほぼない。ステージを進めていくと、ストーリーを描くコミックが解放される。60種類ある各円盤で死ぬと解放されるアーカイブ・短い主人公の独白も興味深く、死ぬことに意味があるのも好印象。

最初は難しく感じるが、何度も死にながら円盤をしっかりと観察すれば進むことができ、普段アクションゲームをしない自分でもちゃんとクリアできる難易度だった。
ノーマルモード解放後に遊べるハードモードは単調なので、難易度下げてさくっとクリア。

たくさんの条件をクリアしながら、いろいろなディスクとたわむれよう!

 

(本作の特徴・魅力)
本作のなによりの魅力はストイックなアクションにより探究していく、この残酷で謎めいた円盤とのコンタクトの物語だ。

残酷なだけでなく、意思を持つようにも、主人公を試しているようにも見える円盤。何度も死にながら、攻略のために円盤たちの動きや特徴を知ることで、プレイヤーはやがて円盤と一体化したような感覚を抱いていくだろう。なぜ円盤は現れたのか、なぜ主人公を死に至らしめるのか、なぜ何度も生き返り円盤に殺されなければならないのか、この残酷な死に満ちた探究の先に何があるのか。円盤はなにも語らないが、物言わぬそれらと対峙し、何度も死んで観察し、予測し、行動することで何かがわかるかもしれない。

ボイジャー探査機のゴールデンレコード」を知っているとより楽しいかも。

メッセージ

 

アクション同様にストーリーの語り口も非常にストイックで、文字や台詞での明確な説明は一切ない。人によってはなにもわからないまま終わりかねず、そこは好みが分かれるだろう。けれど、容赦のない試行と探求を繰り返しながら、アクションと死を通じて円盤を知り謎の存在とコンタクトしていく感覚は、ほかのSFゲームでは味わうことのないこの作品だけにしかないものだと思う。

ノーマルモードをクリアして黄金の部屋の謎解きをしたのちに見たもの、知り得ぬ知性とふしぎなコンタクトをした感覚、最高にSFでした!

科学者として観察を続けながら徐々に常軌を逸していく円盤図鑑の主人公の独白、コミックですこしだけ語られる主人公ら人間たちのドラマも言葉少ないまま想像させられるものがあり、とてもよかった。

円盤辞典(当該円盤で死ぬと読める)内の主人公の独白により、世界の謎を探っていく

主人公たち人間のドラマを明かすコミックも短いながら味わいがある

 

(難易度・アクセシビリティ

アクションとしての難易度はそこそこ高いが、難易度設定は項目豊富で、いつでも変更可能なのでアクション下手者でもクリアまで楽しくプレイできた。

アクセシビリティ関連も非常に充実しており、グロ苦手な人向けに血を透明にしたり紙吹雪にしたりする設定もありで、この規模のゲームとしては至れり尽くせり。アクション苦手な人も残酷描写はちょっとという人も、ぜひ気軽にプレイしてみてほしい。なぞの知性とのコンタクトは多くの人に開かれている。

automaton-media.com

 

 

 

コンパクトでよくできたアクションゲームやSF要素のあるアドベンチャーを気軽にプレイしたい方におすすめ。

特に、コンタクト系SF好きには強くおすすめします。あなたの求めているものがここにある。プレイしよう!

Steam/Switch/Xbox

 

(参考) 開発者インタビュー

www.gamespark.jp

繰り返す死はコンタクト。生も死もすでに意味はなく、その先にあるものを見にいくだけ。